家庭内カーストにおいて、借金は絶対にしてはいけない。これは鉄の掟だ。
会社の同僚に、ギャンブルに落ちて家庭内の居場所を失ったやつがいる。
彼は真面目な男だった。俺の知る限りでは、社内で真面目選手権を開催したら全国ベスト4には入ると思うほどの奴だった。
彼は結婚18年で中学生と小学生の娘を持つお父さんでもある。そんな彼がカーストの被害者となったのは上の娘さんが中学校に上がった頃。
思春期に突入した娘は、例に漏れることなく父を嫌い始める。きっかけは娘同士のケンカについて叱っている時だった。
これまでのように娘に対して叱っていると、急に反抗的な態度で反発してくる娘。本来なら、母がこのタイミングで父である彼の味方をすべきだった。
しかし、あろうことか母は娘の肩を持ち、一緒になって父に怒りを向けだしたのだ。こうなってしまっては、下の娘は母親につかざるを得なくなり、彼の家庭にカーストが生まれた。
それ以降、彼は家に帰りたがらなくなり、飲み歩くことが急に多くなった。最初は一時的家庭内不和だと思われていたが、本当は深かったのだ。
そうしているうちに、彼も資金が底をついてくる。そこで、彼は消費者金融で借金をするようになり、その借金を返済しようとギャンブルに手を出すという負のスパイラルに突入したのだ。
そんな話はうまくいく訳もなく、彼は借金を重ねてしまうこととなり、家庭ではより肩身が狭くなってしまったそうだ。
この話を聞いたとき、他人ごとではないなと思えてしまった。カーストの段階を上げる方法として、金銭力を身に付けようと考える人は多い。
しかし、この方法にギャンブルは御法度である。彼が良い例だ。消費者金融という泥沼に陥ってしまうのだから。
借金を返すためにまた借金をする。このスパイラルに入ったらなかなか抜け出せないほか、家庭内カーストの改善は不可能に近い。
そうならないために、借金をしないことが最優先事項だが、もし借金をしてしまった場合に備えての知識を蓄えておくことが必要である。
そんなことを調べていると、借金には時効があることを知った。もちろんそれを前提に借金をするのは良くないが、覚えておいて損はなさそうだ。
金の力で成り上がったとしても、成金のように効果は一時的なのかもしれない。
もう少し正統的な方法での復権を目指さなければ。